【目的】 上部尿路通過障害に対してHo-YAGレーザーによる内視鏡下切開術を行い、その有用性と問題点に
ついて検討した。

【対象と方法】腎盂尿管移行部狭窄3例、中部尿管狭窄1例、および膀胱全摘・尿路変更後の上部尿路通過
障害7例(Kockパウチ輸入脚狭窄2例、Kockパウチ尿管吻合部狭窄1例、Hautmann代用膀胱尿管吻合部狭
窄2例、回腸導管尿管吻合部狭窄2例)に対して、Ho-YAGレーザーを用いて内視鏡下に狭窄部切開術を施行
した。

【結果】腎盂尿管移行部狭窄では1例で硬性内視鏡を用い経皮的順行性に行い、他の2例では経尿道的硬性
尿管鏡下に施行、中部尿管狭窄例では軟性尿管鏡を用いて逆行性に行った。尿路変向後の通過障害例で
は、1例では硬性鏡下逆行性に施行できたが、他の6例では硬性鏡による狭窄部への到達は困難なため、経
皮的順行性軟性尿管鏡下に行った。術中、述語の合併症は特に認めず、平均観察期間16ヶ月で、通過障害
の改善は11例中6例に認められた。

【結論】Ho-YAGレーザー用ファイバーは軟性尿管鏡下の操作が可能であり、尿路変向後の狭窄など、硬性鏡
到達の困難な症例には極めて有用である。他方、軟性鏡下のレーザーファイバー先端の操作は必ずしも容易
でないこともあり、また我々の奨励ではcold knifeによる切開に比べて成績が不良な傾向があり、今後さらに
検討が必要である。