日レ医誌(JJSLSM)21巻第3号(2000)

尿路結石に対するHo:YAGLASERの効果

東京都立豊島病院泌尿器科、日本大学医学部泌尿器科学教室
山崎 利彦、野垣 譲二、吉田 利夫、石田 肇、岡田 清己
 
【目的】 経尿道的砕石術(TUL)には様々な砕石装置が存在し、中でもLASERによるTULは他の装置と比較し
てより安全で尿管鏡の選択性も高い。しかしLASERは、波長やpulse幅など本来の物理学的特性は固定式の
formatであり、その効果は発生エネルギー量(出力)、照射時間およびfiber径に依存していた。最近開発され
たpulse幅可変式のHo:YAG LASER発生装置を用いて結石破砕を行い、pulse幅と砕石効果、衝撃波の強弱、
発生エネルギーなどの関係を研究した。また臨床例10例に対しTULを施行した。
【方法】 Ho:YAG LASER発生装置にHERAEUS社製SPHINX Ho40を用いた。Pulse幅を変えて蓚酸カルシウム
結石モデルに水中で照射した。また、結石エネルギーと衝撃波の強さをpulse幅ごとに測定した。臨床例は平
成11年6月から6ヶ月間の計10例の尿路結石に対しTULを施行した。
【結果】 Ho:YAG LASERにおいては、pulse幅と発生エネルギー、衝撃波の強さは密接に関係しており、結石
破砕にはpulse幅の短い設定が有利であった。また、臨床例でも有効な破砕効果を得た。