日レ医誌(JJSLSM)21巻第3号(2000)

腎サンゴ状結石に対するPNLにおけるHo:YAGレーザーの有用性

千葉大学泌尿器科
戸辺 豊総、関山 和弥、三上 和男、赤倉 功一郎、五十嵐 辰男、伊藤 晴夫
 
【目的】 腎サンゴ状結石に対するPNLにおけるHo:YAGレーザーの有用性を検討した。
【対象と方法】 1994年4月から2000年3月まで当科にて施行した腎サンゴ状結石に対するPNL19例を対象とし
た。1994年から1997年3月までに従来法にてPNLを施行した9例をA群、1997年4月から2000年までHo:YAGレ
ーザーを使用してPNLを施行した10例をB群としてセッション数、手術時間、ESWL併用率、stone free rate、合
併症を比較検討した。
【結果】 A群平均年齢は55歳、B群平均年齢は59歳であった。平均セッション数はA群は平均2回、B群は1.7
回であった。平均手術時間は、A群で174分、B群で129分であった。ESWL併用率はA群78%、B群55%であっ
た。PNL単独でのstone free rateは、A群22%、B群50%であった。ESWL併用におけるstone free rateは、A群
は67%、B群は80%であった。合併症はA群では出血のため輸血例を1例に認めたが、B群では重篤な合併症を
認めなかった。
【結語】 腎サンゴ状結石に対するPNLはHo:YAGレーザーの使用により、手術時間の短縮および治療成績の
向上を期待できる。