日レ医誌(JJSLSM) 第22巻第3号

泌尿器疾患における治療と安全対策

群馬大学医学部泌尿器科1)、群馬県立がんセンター泌尿器科2)
○黒川公平1)、鈴木孝憲2)、鈴木和浩1)、東 洋臣1)、堀江能立1)、山中英壽1)
 

1.はじめに
泌尿器科領域でのレーザーの応用は多岐にわたる。まず、泌尿器科における各種レーザー治療について示し
た。次に安全対策について述べた。
2.泌尿器科におけるレーザー治療
 尿路結石では、腎サンゴ状結石に対する硬性鏡を用いたPNL(Percutaneous NephoroLithotomy),軟性尿
管鏡を用いた TUL(TransUreteral Lithotripsy)などでパルスダイレーザーおよびHo:YAGレーザーを用いた内
視鏡的砕石術が行われている。膀胱疾患では、膀胱結石に対する上記砕石術および膀胱癌に対するPTDな
どが行われている。前立腺疾患ではm前立腺肥大症に対するものとして、Ho:YAGレーザーおよび(連続波、
パルス波)Nd:YAGレーザーを用いたVLAP(Visual Laser Ablation of the Prostate) 、Nd:YAGレーザーを用い
たTUBAL(Transurethral Balloon Laser Hyperthermia、Thermontherapy)、半導体レーザーを用いたILCP 
(Interstitial Laser Congulation of the Prostate)などがあげられる。
3.安全対策
レーザー障害の最も起こりやすい眼に対しては、治療をテレビモニター下に行い、さらに安全用メガネを必ず着
用するなどの対策がとられている。皮膚に対する障害は、これらの手術が体腔内で行われるため、問題となる
ことは少ないようである。 その他、各治療毎にレーザーの障害に対していくつかの対策がとられている。本報
告会では、各治療固有の有害事象(副作用) とレーザーに起因する有害事象に分けて論ずる予定である。