外傷性尿道狭窄に対し尿道ステント留置後、ステントのメッシュの間隙から尿道内腔に増殖する肉芽組織に
より狭窄を来たすため、Ho:YAGレーザーによる手術を行った症例を経験した。
症例1. 20歳、男性.交通事故による尿道断裂にて膀胱瘻造設.7ヶ月後内視鏡的に狭窄部を切開拡張した
が、再狭窄のため尿道ステント(ウロルーメ)留置した。3ヵ月後ステント部位の肉芽組織による狭窄が出現、小
児用resectoscopeを用いて肉芽組織の切除を行ったが再狭窄を来たすため、Ho:YAG レーザー(Varsa Pulse
Select)を用いて肉芽組織の蒸散を行った。術後1年排尿障害は見られない。
症例2. 55歳、男性.道路側溝に転落、尿道断裂にて膀胱瘻造設。4ヵ月後内視鏡的に狭窄部の切開拡張を
行ったが、再狭窄を繰り返すため尿道ステント(ウロルーメ)留置。 4ヵ月後ステント部の肉芽組織による狭窄が
生じ、排尿困難をきたしたため、Ho:YAGレーザーにて瘢痕組織を蒸散した。術後6ヶ月瘢痕組織の残存を認め
るが排尿障害はなく経過観察中である。
いずれの症例もHo:YAGレーザーによって尿道ステントを破損することなく肉芽組織を蒸散でき、良好な結果
が得られた。
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