第89回 日本泌尿器科学会総会 プログラム

Tissue Morcellatorを使用したHolmium Laser Enucleation of the Prostateの試み

久留米大学 医学部 泌尿器科
松岡 啓、飯田 如、井上 通朗、冨安 克郎、野田 進士
 
【目的】ホルミウムレーザーによる経尿道的前立腺切除術(HoLRP)は有用な方法であることを報告してきた。
今回は、大きな切除片を吸引・細切・除去するtissue morcellatorを使用して、腺腫をなるべく大きく切除する
Holmium Laser Enucleation of the Prostate(HoLEP)を試みたので報告したい。
【対象】2000年5月よりHoLEPを施行した前立腺肥大症患者12例(平均前立腺体積43ml)である。
【方法】レーザー切除法は、基本的にはHoLRPに準じるが、より深い切開で腺腫を一塊として剥離することを心
がけた。550μmファイバーを使用し、2.0ジュール、35Hz、70wで照射した。レーザー照射後はPNL用内視鏡に
変えてtissue morcellatorで膀胱内に落ち込んだ切除片を除去した。
【結果】手術時間88分、総エネルギー量165Kj、出血量62mlで留置カテーテルは術翌日抜去した。カテーテル
抜去後より自・他覚症状は改善し、術後3ヶ月まで良好な成績であるが、術後1週目の最大尿流率はHoLRP
よりも有意に良かった。合併症としてmorcellatorによる膀胱損傷を1例経験したが留置カテーテルで解決でき
た。
【結論】HoLEPによりHoLRPよりも確実な手術が可能となり、大きな前立腺に対しても少ない侵襲で開放手術
に匹敵する成績が期待できる。