側射フアイバーの開発
上記のレーザーの導光系としては、石英ファイバー
が用いられているが、前立腺の手術においては、ファ
イバーと直交する方向にレーザービームを偏向させる
必要があり、一般に側射ファイバーが用いられている。
本研究では、ミラーあるいはプリズムを用いた市販の
側射ファイバーの欠点を補うため、耐久性が高く、さら
に照準のあわせやすい側射ファイバーを開発した。
1.開発した側射ファイバーは、石英ファイバー先端
部を約45。にカットし、この部分を石英カブセルで覆
い、このカプセル内に窒素ガスを充撰した構造とした。
レーザー光は、45゜にカットされた端面で全反射して、
約85゜偏向される(図2a)。なお、石英ファイバーの
core径(ファイバーそのものの血径)は600μm、被覆
を含めた外径は1.4mmで、先端のカプセルの外径は
2.Ommである。
2.レーザーの照射方向はガイド光により確認できる
ことになってはいるが、実際の内視鏡鏡下の使用で
は、尿道粘膜の状態(発赤、浮腫)によってはガイド光
が見えにくいことがしばしばあり、照射方向の確認の
ために多大な時間を浪費する。そこで、新たに開発し
たファイバーこは、特殊な印刷技術を用いて先端に3本
の線状のマー力一を付けた。レーザーの照射方向とマ
ーカーの色との関係は図2のようになっている。すなわ
ち、内視鏡的に黄色のラインが見えたらレーザーの照
射方向は6時方向、赤色のラインが見えたら9時方向、
青色のラインが見えたら3時方向にレーザービームが
出ていることになる(図2b)。このガイドラインにより照
射方向の確認を容易とし、手術時間を短縮することをも
くろんだ。
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a:45゜にカットされた端面での全反射により、
レーザービームはほぼ直角(85゜)に向きを変
える。
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b:3色マーカーにより、レーザービームの照射
方向の同定が容易となる。 |
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