日レ医誌(JJSLSM)第20巻第3号(1999) 

ホルミウムレーザーを用いた前立腺肥大症に対するDay Surgery 

知多市民病院泌尿器科
花井俊典 

【目的】
 前立腺肥大症に対する手術療法にはいまだに経尿道的前立腺切除術(TYR−P)に比肩し得るものは無い
と言われている。しかし、通常のTUR−Pでは1〜2週間程度の入院が必要とされている。我々はDay 
Surgeryとしてホルミウムレーザーを用いてTUR−Pを施行し、良好な成績を得たので報告する。 

【対象と方法】
 術後3ヶ月以上経過観察可能であった25例(平均年齢66歳、平均前立腺体積26ml)。レーザー設定:60W 
25Hz。麻酔:仙骨硬膜外ブロック1回注入法。 

【結果】
 平均手術時間42分、平均前立腺切除量6gであった。術後1ヶ月ですべてのパラメーターにおいて有意に改
善を示し、3ヶ月後も治療効果は持続していた。入院治療が必要となるような重篤な合併症は見られなかっ
た。   
残尿量
(ml)P value
平均尿流量率
(ml/s)P value
最大尿流量率
(ml/s)P value 
 IPSS
 P value 
術前 110.4  5.1 9.2 18.2
1ヶ月  22.8  0.0023 10.0  <.001 16.2  0.0002 7.0
3ヶ月 15.0  0.0022 10.6  <.001 18.2  <.0001 4.7
(表中のP valueは術前と1ヶ月、術後と3ヶ月を比較し検定した結果である)
 【結語】
 本法はDay Surgeryとして安全に施行でき、術後早期より良好な治療効果が得られた。