ホルミウムレーザーを用いた前立腺肥大症の日帰り手術
 
花井 俊典*1  名出 頼男*2 

前立腺肥大症に対する日帰り手術としてホルミウムレーザーを用いた経尿道的前立腺切除術を施行した。対
象症例は25例、平均年齢は66歳、平均前立腺切除量は6gであった。灌流液には生理食塩液を用いたため
TUR症候群は起こり得ず、術中・術後の出血もほとんど見られなかった。治療効果は術後早期よりみられ、I
PSSの平均値は術後18.2、術後1か月は7.0、最大尿流率の平均値は術前9.2ml/秒、術後1か月16.2m
l/秒といずれも有意に改善し、3か月後も持続していた。ホルミウムレーザーの特徴を生かした本術式は治療
効果はもとより、安全性と医療費削減の面からも優れており、日帰り手術に最適な方法であると考えられた。

キーワード:前立腺肥大症、日帰り手術、ホルミウムレーザー
 
Holmium Laser Resection of the Prostate (HoLRP) in the Day Surgery
Shunsuke Hanai and Yorio Naide. Chita

Transurethral resection of the prostate using Holmium laser was performed in the day surgery setting. 
A total of 25 patients of a mean age of 66 years old with symptomatic benign prostate hypertrophy in 
whom serum prostate specific antigen was within normal limit. A 26 Fr continuous-flow resectscope 
was used for the procedure. Mean operating time was 42 minutes, and resected tissue was 6g in an 
average. Throughout the procedure 0.9% saline solution was used as irrigation fluid, therefore TUR 
syndrome could not be occurred. Minimal hematuria was noticed during the procedure and the first 24 
hours. Indwelled catheter was removed on the 3rd day. No catheter traction was necessary to control 
bleeding, nor serious complication occurred in any patients. Average of the total International Prostate 
Symptom Score decreased from 18.2 to 7.0 at 1 month after surgery and 4.7 at 3 month. Maximal 
urinary flow rate increased from 9.2 m/s to 16.2m/s at 1 month after surgery and 18.2ml/s at 3 month. 
The procedure was performed with minimal morbidity, and allowed a reduction of the care cost. HoLRP 
is evaluated as one of the best procedures for the day surgery of benign prostate hypertrophy. (Rinsho 
Hinyokika 54 : 463-466, 2000) 
*1知多市民病院泌尿器科
*2藤田保健衛生大学医学部泌尿器科 

緒言
 前立腺肥大症の最近の治療法の進歩には目覚ましいものがある。しかしながら、従来からの経尿道的前立
腺切除術(TUR-P)がgold standardとされ、この治療効果に匹敵するものはないとされている。しかし、数年前
よりホルミウムレーザーを用いた前立腺肥大症の手術(holmium laser resection of prostate : HoLRP)が行
われるようになり、一部の論文にはTUR-Pに比肩し得る効果を持つとされるまでになっている。また、近年で
は医療費削減のためや患者側からの希望にてTUR-Pの日帰り手術の試みもなされている。 
 こうした観点から筆者らは、HoLRPの出血や合併症が少ないという長所を十分に発揮できる方法として日帰
り手術を施行した。 

対象および方法
1.対象症例
 1998年6月から1999年6月までの1年間に排尿障害を主訴として外来を受診した患者のうち、前立腺腫瘍マ
ーカーが正常であり、臨床的に前立腺肥大症と診断された症例42例に対しHoLRPを日帰り手術として施行し
た。これらの症例のうち、3か月以上経過観察が可能であった25例を対象とした。25例の平均年齢は66歳(49
〜86歳)であった。また、経直腸超音波検査で前立腺体積を計測し、今回の検討では40ml程度までを適応と
したため、平均前立腺体積は26ml(11〜42ml)であった。 

2.日帰り手術
 手術当日は外来にて血管確保をしたのち、膀胱鏡台上で側臥位とし、仙骨裂孔より23Gカテラン針を用いて
2%キシロカイン10mlと0.5%マーカイン10mlを混注した(仙骨硬膜外ブロック1回注入法)。この方法による麻
酔持続時間は約2時間程度であった。術後は16FのFoleyカテーテルを留置するのみで、止血の牽引操作は
施行しなかった。麻酔から回復し、歩行が通常となった時点で血尿の程度を確認のうえ、バルーンキャップの
取り扱い方法を説明したのち帰宅とした。バルーンカテーテルは、原則として術後3日目に抜去した。 

3.手術手技
 手術用膀胱鏡はストルツ社製の26Fr灌流式内視鏡を用い、灌流は生理食塩液で行った。レーザー発生装
置はコヒレント社製のVersa Pulse Selectを使用し、エネルギー条件60W(2.4J/25Hz)で手術を施行した。レー
ザーファイバーは直射型のSlimline、550μを用いたが、狂った組織へ的確に照射するために外筒として同経
の側射型ファイバーのホルダーを利用した。 
 切除は中葉、左葉、右葉、前葉の順に行った。まず、膀胱頸部の5時と7時の位置から精阜まで2本の縦切
開を加えた。次いで、精阜上縁でこの2本の切開線をつなぎ合わせ、切開線に囲まれた中葉全体を手前から
掘り起こすように膀胱側へ向かって切除した。左葉の切除では、中葉切除の5時の切開線を皮膜に沿って1時
の位置においた切開線から5時の方向に切り下げた。前立腺尖部から膀胱側へ向かってこの操作を交互に繰
り返すことにより、左葉を皮膜から一塊として切離した。右葉も同様に7時から11時、逆に11時から7時と交互
に切開を入れていき皮膜から切離した。最後に前葉と尖部、頸部に追加切除を行った。 
 腫瘍が大きい場合には、切除する際に適当な大きさの切片に分割することが大切である。切片はエリック吸
引機で摘出するが、大きなものは異物鉗子や三叉把持鉗子を用いて摘出した。 
結果
 平均手術時間は42分(25〜70分)で、レーザー総照射量の平均は68KJ(38 〜199KJ)、平均前立腺切除
量は6g(2〜14g)であった。 

1. 自覚症状
 自覚症状の改善は、IPSS(International Prostate Symptom Score)平均値の変化と治療効果判定基準で
評価した。IPSSの平均値は術前18.2、術後1か月は7.0、術後3か月は4.7と有意に改善を認めた。また、治療
効果判定基準では、有効以上の症例は術後1か月で72%、3か月で80%であった(表1)。 

表1 IPSSの推移   I

IPSS平均値 p value (a) 有効以上の症例(%)
術前 18.2            
術後1か月 7.0 <0.0001 72 
術後5か月 4.7 <0.0001 80 

 2. 他覚症例
 他覚症状の改善は最大尿流率、平均尿流率、残尿量の平均値の変化で評価した。最大尿流率について
は、治療効果判定基準も併せて用いた。 
 最大尿流率の平均値は術前9.2ml/秒であったのに対し、術後1か月16.2ml/秒、術後3か月18.2ml/秒と有
意に改善した。平均尿流率の平均値は術前5.1ml/秒、術後1か月10.0ml/秒、術後3か月10.6ml/秒と有意に
改善した。残尿量の平均値は術前110.4ml、術後1か月22.8ml、術後3か月15.0mlと有意に改善した。最大尿
流率の治療効果判定基準による評価では、有効以上の症例は術後1か月で68%、3か月で72%であった(表
2)。術後1か月の尿道造影では、明らかな前立腺部尿道の拡大が確認できた。 

表2 他覚症状の推移 ・(a) は術前と術後1か月、術前と術後3か月をそれぞれ比較検討した。
・有意差検定は Student-t を用いた。                      残尿量 平均尿流率 最大尿流率 
  (ml) p value(a) (ml/s) p value(a) (ml/s) p value(a) 有効以上の症例(%) 
術前 110.4   5.1   9.2     
術後1か月 22.8 0.0023 10.0 <0.0001 16.2 0.0002 68 
術後3か月 15.0 0.0022 10.6 <0.0001 18.2 <0.0001 72 



3. 合併症
 術中の血圧低下が3例にみられ、昇圧剤の投与が必要であった。4例に術中の膀胱刺激症状がみられたも
のの、手術操作に支障を来すことはなかった。術中、術後の出血はほとんどみられず、入院を必要とする合併
症はみられなかった。バルーンカテーテルを抜去後に再留置を必要とした症例はみられなかった。 
考察
 HoLRPは、1996年にGillingらが初めて前立腺肥大症の治療として報告した方法である。本法で使用される
ホルミウムレーザーの特徴は、切開、蒸散、止血の3要素を持ち、組織への吸収深度が0.4mnと浅いことであ
る。この特徴を利用したHoLRPの最大の長所は、他の前立腺高温度療法、前立腺組織内高温度療法、され
には経尿道的直視下レーザー前立腺切除(VLAP)などとは大きく違い、前立腺組織をTUR-Pと同様に切除す
ることにより、手術終了時には前立腺部尿道に確かな空洞が形成できることである。このため、他の治療法よ
りバルーンカテーテル留置期間は短くて済み、抜去直後からはっきりとした治療効果を得ることができると考
えられる。 
 実際の治療成績の検討ではIPSSの平均値は術後1か月、術後3か月とも有意に改善しており、治療効果判
定基準でも良好な結果であった。他覚症状も術後1か月で有意に改善しており、術後3か月後も治療効果は
持続していた。これらの治療成績は諸家の報告と同様であり、満足すべきものであった。3か月以上の長期成
績については、松岡らの報告を参考にさせていただく以外にないが、術後2年までの報告では治療効果は持
続しているとされている。また、術後は膿尿が1か月程度で消失し、排尿時刺激症状もTUR-Pの自験例と大
差のなかったことから、レーザー使用による創傷治癒過程の遷延などの副作用はみられなかったと考えられ
た。今回の検討では、術後の尿道狭窄や膀胱頸部硬化症はみられなかったが、経過観察期間が3か月と短
かったためもあると考えられる。 
 HoLRPの欠点は、手術時間が長いことである。今回の検討では、平均切除量6gで平均手術時間は42分で
あった。レーザーの蒸散効果で組織の3/4は消失するとされてはいるが、やはりTUR-Pに比較して長くなる傾
向があった。原因としては、松岡らも述べているように、逆行性切除のために技術的な工夫と慣れが必要なこ
とや、切片の処理に時間がかかることが挙げられる。前者の技術的な問題は直射型のファイバーを用いて逆
行性に切除するために前立腺尖部の手術操作が困難なことで、殊に蒸散効果を考慮に入れて外尿道括約筋
を損傷しないように尖部の処理を行うには、ある程度の時間と術者の熟練が必要であった。後者の切片の処
理は、現在のところ手術手技で述べたように、切除の際にエリック吸引機で摘出できる小切片にするように注
意することが重要となるが、このための時間がかかってしまう。 
 コヒレント社によれば、経尿道的切片吸引破砕装置(モアセレーター)が開発されているとのことである。この
装置が入手できるまで大きな切片は内視鏡下に鉗子類を用いて摘出するか、手術用吸引ポンプで陰圧をか
け切片を内視鏡の先端に吸着させて内視鏡ごと引き抜く以外に妙案はない。 
 日帰り手術として、安全性の面からHoLRPとTUR-Pを比較した場合には、灌流液に生理食塩液を用いるた
めTUR症候群が起こり得ないこと、術中・術後の出血がほとんどみられないためカテーテル牽引などの止血操
作が不要であることなどを考えれば、HoLRPのほうが優れている。 
 また、医療費の面では、TUR-Pの入院手術を施行した場合には当院の平均は約38万円(10日間入院)、
HoLRPの日帰り手術の場合は約26万円であり、医療費削減と患者負担の軽減という点からもHoLRPの方が
優れているといえる。 
 以上から、HoLRPの日帰り手術は安全性と医療費の両面から考えて、前立腺肥大症の外科的治療法とし
てTUR-Pを超え得る有望な方法であると考える。 
(本論文の主旨は大20回日本レーザー医学会シンポジウムにて発表した。)


文献 

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