〈目的〉
近年の子宮癌検診の普及および診断技術の向上により、子宮頚部早期悪性病変の発見頻度は、増加傾向
を示している。また、女性の晩婚化にも関連して妊孕能温存を考慮しなければならない症例も、増加傾向が認
められている。このような症例に対し、適切な術式選択のために診断目的で、また、上皮内癌異化が想定され
る症例に対しては、診断に加え、治療的意味で子宮膣部円錐切除術が行われるようになってきた。これまで
に当科で使用してきた各種レーザーメスについて、婦人科の立場から、その有用性を検討した。
〈対象と方法〉
当科で経験した子宮頚部早期悪性病変例に対し、最近用いているホルミウム・ヤグレーザーとそれ以前に
使用経験のある各種レーザー、およびハーモニック・スカルペルとの有用性の比較検討を行った。
〈結果〉
ホルミウム・ヤグレーザーによる子宮膣部円錐切除術例では、他の方法より、摘出病理標本での熱変性の
範囲と程度が軽度であり、術後の創面の回復が、早い印象を受けた。
〈結語〉
ホルミウム・ヤグレーザーは最近、各科領域で、その有用性が認められているが、婦人科における子宮膣部
円錐切除術においても、大いに有用と考えられた。
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