日レ医誌(JJSLSM)第20巻第3号(1999) 

Ho:YAG laserによる関節鏡視下手術の安全性とpit fal

熊谷総合病院整形外科、*千葉大学整形外科
西山秀木、*守屋秀繁、*和田佑一 

〈目的〉
 Ho:YAG laserは現在関節鏡視下手術に最も普及しているレーザーである。このHo:YAG laserを関節鏡視
下手術に用いたときの術後成績を検討しその安全性について検討を加えた。 

〈対象と方法〉
 129例のHo:YAG laser関節鏡視下手術の術後成績、合併症について検討を加えた。内訳は膝関節鏡視下
手術127例、肩関節、足関節鏡視下手術各1例であった。鏡視下手術の術式は半月板損傷では半月板切除
術、反復性膝蓋骨脱臼では膝蓋支帯外側解離術、血管腫では腫瘍焼灼、たな障害ではたな切除、肩関節
SLAP lesionではデブリードマンであった。 

〈結果〉
 半月板損傷では術前のJOA(日本整形外科学会)scoreは内側半月板損傷では術前43.6から術後1ヶ月で
83.5に、外側半月板損傷では術前53.8から術後7.6に増加したことなど膝関節鏡視下手術の術後成績は満
足できるものであった。レーザーにより発生することがあると言われる滑膜炎、骨壊死、軟骨損傷などの合併
症は認められなかった。肩関節鏡視下手術では関節鏡の破損を1例生じた。これは肩関節鏡視下手術では手
技の性質上関節鏡に向かってレーザーが照射されることがあるためレーザーが直接関節鏡に照射されたため
であった。 

〈結語〉
 Ho:YAG laserを用いた関節鏡視下手術の術後成績は満足できるものであり、1例の関節鏡破損例以外の
合併症は認められず安全な手術方法であると思われた。