今後に向けて

8.今後の活動

 

9.参考(韓国の養護学校での情報教育)

先日、韓国第3の都市であるテグ(Taegu)市の私学のテグ大学付属の養護学校であるTegu Sun Myung School for the Mental Retarded に見学に行って来ました。テグ市内には8つの養護学校があり、そのうち6校が私学であり、3校が公立です。最近は公立の方がハード的には進んでいるとのことでした。この学校は、ハード的に遅れているという私学ですが、そのパソコンの配置状況などには驚かされました。

学校の施設については、 学校長の説明通り教室は狭いのですが、教室の中にはパソコン画面を表示出来る大型の液晶テレビが各教室に1台ずつ配置され、挨拶の授業やリズム運動、文字の学習などをパワーポイントを利用した教材を使って指導していました。児童生徒たちはTV・パソコンには興味関心を寄せやすいので指導に積極的に使っているとのことであった。多い部屋ではパソコンを5台並べて指導を行っていた。それ以外にもパソコン専用室(マルチメディア教室)やマルチメディア教材作成室、テレビ放送室やゲーム室などがあり、日本の養護学校との違いを見せつけられた感じがしました。

校長先生自らが校長室にパソコンを2つおき使用しているとのことであり、学校説明には教頭先生が先生たちの作ったパワーポイントでの学校説明を使って行っていました。日本の養護学校の校長先生や教頭先生のうち何人がパソコンを積極的に使っているのか分かりませんが、私の知る限り、このような管理職の方々は少ないと思います。

韓国の養護学校や小学校・中学校・高等学校を見学して共通して感じたのは、情報教育には力を入れているということです。各教室には大型の液晶テレビがパソコンに接続されているし、教育センターなどと専用線で接続されたインターネット環境があり、回線の太さも512KやT1回線(1.5M)といった状況でした。パソコン室の机にはパソコンのディスプレーが斜めに入るタイプのものが設置されていて、液晶プロジェクターと液晶テレビの2つを利用した効果的な学習が行われていました。


情報教育の面では進んでいる韓国であるが、養護教育全般にわたって進んでいるというわけではない。児童生徒数248名に対し教師25名、管理職等を含めても41名という人数は、かなり少ないといえる。そのため重度クラスの子どもたちはTVを見ているだけといったこともあり、そのテレビ画面も変えてもらえず反り返って要求を出している子もいた。これは児童生徒対教師の人数比の違いが、韓国と日本とでは大きく違うことからきているといえる。

日本の養護教育の人的環境面でのよい点と韓国の養護教育の情報教育面でのよい点を合わせた環境が出来ればいいのであるが、その実現はまだまだ難しいと感じた。