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変わりゆく日本の山林
高田浩一・著
184頁・四六判・本体価格1500+税・送料実費
山は甦るか!
山の荒廃がひどくなり、木々の下枝が茶色に枯れ先端だけ緑が残る。戦後、大量に植林された山がみじめな姿に変わりつつある。山を守るのに、所有者は「もう木材の対価だけでは無理」と悲鳴をあげる。一方、森林が持つ水源涵養、大気浄化などの公益機能に国民の期待が高まり、ボランティアが活躍、山の『公的管理』構想が出てきた。
激動する日本の山林事情をまとめた一冊!

 

荒廃 施業放棄が人工林の三、四割 手入れされず、山は危険に

「下枝が七、八割も枯れ上がった山が人工林の三、四割はある。ほかに、これからも先も手入れをされないことが確実な山が三、四割ある。施業を放棄されたと思われる山林が奥山はいうにおよばず里山にも広がっており、わが国の人工林の七、八割になるのではないだろうか」元信州大学教授の島崎洋路さんはこう指摘する。戦後、猛烈な勢いで山に木を植えた。人工的に植栽した森林は手入れが必要なのだ。間伐するのを前提に密着しており、枝を落としたり間伐をせずに数十年放置しておくと、林内が暗くなり枝は伸び放題。無残な山になってしまう。現実に下枝が枯れて枝や葉が茶色になり、先端の10%前後しか緑の枝葉をつけていない木々が各地で見られる。せっかく、世界有数の人工林とほめられた山林が、最近では、みじめな姿に変わり始めている。

ボランティア 体験と楽しさが魅力 ボランティア増え約3万人

「太陽の下で作業すると、スケールの大きい仕事をしたような気がする」林業ボランティアとして、神奈川県の山林で間伐をした時、川崎市役所の職員が語った。いつも室内で事務をとっているのにくらべ、山で体をうごかすのは快適だったようであり、弁当を食べる顔つきが明るかった。このような林業ボランティアが増えている。林業白書が昭和61年(1986年)にその存在を紹介してから10年以上たち、林野庁が平成9年(1997年)に調査したところ、全国で約280団体にのぼった。団体の数は年々増加し、どんぐりを拾って植える初歩的な活動から、植林、下刈り、枝打ち、間伐といった森林整備の主な作業まで、活動の範囲はさまざま。メンバーも約3万人にのぼると見られ、都市の会社員や、学生、主婦、定年後の年配の人など多彩。生活のスタイルが変わり、アウトドア志向の高まりに沿った動きであり、「体験と楽しさ」が共通の魅力のようだ。

公益的機能 水源林の機能 保水、水量の平準化、浄化

まず、森林には『緑のダム』の働きがある。樹木が根を張り、落ち葉や落ち枝が厚く重なって腐敗、ミミズのような小動物が活動して林内の土壌はスポンジ状になる。このため、雨がしみ込みやすく、浸透した雨水はゆっくりと流れ、やがて、はるか下流で地表に出る。これが、水の流量を調整することになり、森林のある所では雨が降ったあと、急に増水することで無く、晴れた日が続いても流れが涸れてしまうことのない。ことに、日本の川は急流で、標高の高い山間から一気に流れ落ちて海に注ぐ。だからこそ、森林の『緑のダム』の機能が重要になってくる。林野庁森林総合研究所の長年の調査で、森林は雨水の35%を貯蓄させるのに、裸地は5%しかとどめないことが実測されている。森林の土は、歩道などの木のない場所とくらべて約30倍も水を吸い込む力があるという。


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