第6回Ho:YAGレーザー研究会
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第6回Ho:YAGレーザー研究会会長
東京女子医科大学第2病院 整形外科教授 井上和彦
Ho:YAGレーザー研究会 世話人代表
北里大学医学部泌尿器科教授 馬場 志郎
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●世話人
●抄録
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●世話人
●Ho:YAGレーザー研究会
●プログラム
10:00〜10:10 開会ご挨拶
10:10〜10:55 座長 日本大学医学部付属駿河台病院整形外科助教授 斎藤明義
10:10〜10:25 1. 尿路変更後の結石患者に対するHo:YAGレーザーによる内視鏡治療の有用性
千葉大学医学部泌尿器科 戸辺豊総、五十嵐辰男、赤倉功一郎、
三上和男、伊藤晴夫
10:25〜10:40 2. 骨折後の膝関節拘縮に対する鏡視下授動術の経験 ―従来法とレーザー法の比較―
杏林大学医学部整形外科 小谷明弘、石井良章、今給黎直明
10:40〜10:55 3. Ho:YAGレーザによる表在性膀胱癌の治療について
西窪病院泌尿器科 長倉和彦、宇都宮拓治、山藤政夫
10:55〜11:05 休憩(10分)
11:05〜11:50 座長 日本大学医学部泌尿器科教授 岡田清巳
11:05〜11:20 4. 肺嚢胞に対するホルミウムヤグレーザーの使用経験
済生会神奈川県病院呼吸器外科 加勢田 靜、青木輝浩
内科 清水邦彦
11:20〜11:35 5. Ho:YAGレーザーによる経尿道的尿路結石除去術症例の検討
慶應義塾大学医学部泌尿器科 長妻克己、長田浩彦、大家基嗣、大東貴志、
中島 淳、橘 政昭、村井 勝
11:35〜11:50 6. 頭頸部血管腫に対するHo:YAGレーザー治療
千葉大学医学部耳鼻咽喉科 沼田 勉、昼間 清、柴 啓介、今野昭義
12::00〜13:00 休憩(11:50〜12:00 世話人会 於:個室A)
13:00〜14:10 座長 東京女子医科大学第2病院整形外科教授 井上和彦
13:00〜13:15 7. Pulse幅可変型Ho:YAG LASERによるTULの基礎的研究
日本大学医学部泌尿器科 山崎利彦、吉田利夫、野垣譲二、石田 肇、岡田清己
13:15〜13:30 8. 耳鼻咽喉科領域のHo:YAGレーザー手術
防衛医科大学校耳鼻咽喉科 松永 毅、田辺哲也、中之坊 学、小倉雅実、北原 哲
13:30〜14:10 9. 教育講演「整形外科領域におけるHo:YAG Laserの有用性について」
日本大学駿河台病院整形外科 斎藤明義
14:10〜14:30 休憩(20分)
14:30〜15:00 レーザー機器会社の紹介 於:サロンルーム
15:00〜16:30 懇親会 於:サロンルーム
●抄録
千葉大学医学部泌尿器科 戸辺豊総、五十嵐辰男、赤倉功一郎、
三上和男、伊藤晴夫
【目的】
尿路変更後の結石症例に対して有効であったので報告する。
【対象】
1998年4月から1999年7月まで当院にてHo:YAGレーザーにて内視鏡治療した尿路変更後の結石患者は4例あっ
た。2例は回腸導管造設後の吻合部嵌頓した径1cmの尿管結石、1例は尿管皮膚瘻造設後にできた腎サンゴ状結 石、1例はインディアナパウチにできた径2cmの3個のパウチ内結石であった。
【方法】
全身麻酔科に3例は経費的に、1例は尿管皮膚瘻より内視鏡的にHo:YAGレーザーにて砕石した。
【結果】
尿管結石2例は1回のsessionではstone freeとなった。腎結石は2回のsessionにて少量の残石を認めるも有効であ
った。パウチ内結石は1回のsessionにてstone freeとなった。重篤な合併症はなかった。
【結語】
Ho:YAGレーザーによる砕石は軟性鏡および細形の内視鏡にて使用でき、砕石効果もよく尿路変更後の結石に対す
る治療にも有効である。
杏林大学医学部整形外科 小谷明弘、石井良章、今給黎直明
骨折後の膝関節拘縮に鏡視下関節授動術を行った症例には剪刀類を用いた従来法[以下、従来群]とホルミウム・
ヤグレーザーを用いたレーザー法[以下、レーザー群]がある。今回この2群の術後経過を比較した。
[結果]
獲得可動域は従来群で平均49.0度、レーザー群で50.0度であり、2群間に有意差はなかった。術後の出血量は従来
群が平均450mlで、レーザー群は平均54mlであった。入院期間は従来群で平均24.8日、レーザー群で11.4日、独歩 開始は従来群で術後平均35.7日、レーザー群は平均18.6日であった。
[結語]
レーザー群は鏡視下に繊維性瘢痕組織を確認し、軟骨などほかの組織を損傷することなく安全かつ正確に行えた。
レーザー群は術後の出血量が少なく、入院期間を短縮することが可能であった。レーザーは関節内に癒着がある例 の剥離に有効である。
西窪病院泌尿器科 長倉和彦、宇都宮拓治、山藤政夫
表在性膀胱癌の経尿道的治療に際し、正常組織の損傷を減少させる目的で、Ho:YAGレーザーを用いた切除・焼
灼法を試みた。対象は1998年8月より1999年6月までに表在性膀胱癌のため内視鏡的切除術の対象となった13名 (再発3名)の患者で、出力装置にはCoherent社のVersapulseを使用した。腫瘍の形状は乳頭状12、非乳頭状1で、 有茎性8、広基性5、単発7、多発・広範6であった。手術時間は平均44分、病理組織学的には全例TCC G1-2、pTa であった。初発の10例には術後THP30mgの膀胱注入を行ったが、膀胱刺激により中止が2例、変更が2例見られ た。再発は1例で、3ヶ月後の膀胱鏡検査では10例中8例で粘膜は完全回復していた。本手術は、術後粘膜再生が 良好であると思われたが、注入療法においては刺激症状が強い傾向が認められた。
済生会神奈川県病院呼吸器外科 加勢田 靜、青木輝浩
内科 清水邦彦
ホルミウムヤグレーザーは、水に対する親和性が高く、色素の含有量に関係なく均等に組織に吸収される特性が
ある。
われわれは、ホルミウムヤグレーザーのこの特性に注目して、本レーザーを肺嚢胞の治療に用いたので、その使
用経験を報告する。
【対象と方法】
1994年8月から1999年6月までに99例の肺嚢胞を、ホルミウムヤグレーザーを用いて治療した。初期の5例は、肺
嚢胞をホルミウミヤグレーザー0.5ワット、8回/秒の条件で照射したのち切除し、組織学的検索を行った。6例は、照 射後、フィブリングルーを塗布した。39例は、フィブリングルーを浸したデキソンメッシュを貼付した。1997年5月以降の 49例では、フィブリングルーに代わりゼラチングルーを塗布している。
【成績】
初期の症例での検討の結果、色素の含有度と関係なく、ホルミウムヤグレーザーの進達度は0.3〜0.5mmであるこ
とが分かった。ホルミウムヤグレーザーによる照射後、フィブリングルーの塗布のみ行った6例中、1例が術後6週に 再発した。フィブリングルーを浸したデキソンメッシュを貼付した症例と、ゼラチングルーを塗布した症例は、何れも再 発を認めなかった。
慶應義塾大学医学部泌尿器科 長妻克己、長田浩彦、大家基嗣、大東貴志、
中島 淳、橘 政昭、村井 勝
1997年4月から1999年4月に、Ho:YAGレーザーによる経尿道的尿路結石除去術(Transurethral
ureterolithotripsy ; TUL)を施行した尿路結石症例29例について検討を行った。
手術時の平均年齢は51.3歳(24〜75歳)で、男性20例、女性9例であった。左尿管結石16例、右尿管結石13例で
あった。結石の部位は、R3が2例、U1が10例、U2が6例、U3が11例であった。3例で腎盂腎杯結石を合併していた。
平均手術時間は94.3分であった。成績は29例中23例(79.3%)で完全砕石した。結石が大きい症例あるいは上部
尿管結石症例は、手術時間が長い傾向にあった。術中尿管損傷を1例に認めたが尿管ステントの留置にて自然軽 快した。
Ho:YAGレーザーによるTULは、砕石効果は良好で合併症は少なく、尿管結石の治療として有用と思われた。
千葉大学医学部耳鼻咽喉科 沼田 勉、昼間 清、柴 啓介、今野昭義
平成7年から10年の4年間に、当科で診断、治療を行った口腔、咽頭、喉頭血管腫症例を対象に、診断と治療法の
選択について検討した。この領域の血管腫は粘膜表面より透見される病変が多いが、術前にはMRIで血管腫の特 徴的画像より正確な進展範囲を把握し、カラードプラ法を用いて、血管腫内部の血流速度が十分に遅いことを確認す ることが重要であった。治療法として、外科的切除またはHo:YAGレーザーによる光凝固を施行したが、侵襲や出血 量などを考慮するとHo:YAGレーザーによる治療が第一選択と考えられた。
日本大学医学部泌尿器科 山崎利彦、吉田利夫、野垣譲二、
石田 肇、岡田清己
経尿道的砕石術(TUL)にはさまざまな砕石装置が存在する。今日の代表的な砕石装置には超音波、電気水圧砕
石(EHL)、リソクラスト、LASERなどがあり、なかでも色素LASERによるTULは、fiber径の細さとflexibilityの高さから、 ほかの装置と比較してより安全で尿管鏡の選択性も高いformatである。しかし、LASERはその発生原理から、波長 やpulse幅など本来の物理学的特性は固定式のformatであり、その効果は発生エネルギー量(出力)、照射時間およ びfiber径に依存していた。最近開発されたHERAEUS社製SPHINX Ho40は、pulse幅と間隔も可変式のHo:YAG LASER発生装置であり、LASER治療に新しい選択肢をもたらした。今回われわれはこのpulse幅可変式のHo:YAG LASER発生装置を用いて結石破砕を行い、pulse幅、間隔、エネルギー出力、照射時間と砕石効果の関係を研究し た。また、マウスの腎臓を用いて生体組織への侵襲性を調査したので、その結果を発表する。
防衛医科大学校耳鼻咽喉科 松永 毅、田辺哲也、中之坊 学、
小倉雅実、北原 哲
Ho:YAGレーザー(NIIC製 MODEL IH102)を耳鼻咽喉科領域の臨床に用い、その有用性について検討したので報
告する。
対象症例は19例で、疾患の内訳は鼻アレルギー6、肥厚性鼻炎4、副鼻腔嚢胞3、口腔腫瘍3、鼻茸1、後鼻孔閉
鎖症1、両側反回神経麻痺1であった。1例を除き外来局所麻酔下の手術であった。
本レーザーは水への吸収が良く、組織を十分に切開・蒸散することが可能であった。また、照射により生ずる組織
内の水蒸気気泡の張力による蒸散(photomechanical ablation)により、硬組織の蒸散も可能であった。石英ファイバ ーで導光可能、眼球保護用の眼鏡は無色透明といった点は、臨床応用において大きな利点であった。一方、照射中 に蒸散組織片が飛散する点や、組織の振動を生ずる点には留意する必要があると思われた。
全例において安全かつ有効に本レーザーを用いることができ、その有用性が確認できた。
日本大学駿河台病院整形外科 斎藤明義
【目的】
当科では1992年よりHo:YAGレーザーを鏡視下手術に用いているが、その後150mwの半導体レーザーを含め
て、各種のレーザーを治療に導入してきた。その結果、出力1W〜10Wレベルの中反応レベルレーザー(MLLT)治 療が21世紀に向けての整形外科的治療に役立つことが解ってきた。今回はMLLTの有用性につき検討を加え報告 する。
【方法】
肩関節前下方不安定性を示す27例に対し、Ho:YAGレーザー(10W)を使用し関節包収縮(LACS)を加えた。
変形性関節症33例に対し、疼痛緩和のみを目的に、Ho:YAGレーザー(10W)を用い鏡視下デブリードメントを行っ
た。
in−Vitroの実験ではあるが、Nd:YAG、半導体レーザー(1W)を用い半月板融着実験を行った。
●第6回事務局
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